(四)指導項目
1. 単語
(略)
2.注釈・文法
1. V/A て
ANで
⑴並列・添加・対比などを表す。
○姉がピアノを弾いて、妹が歌を歌います。
○日本の学校の1年は、4月に始まって、3月に終わります。
○これは大きくて、それは小さいです。
○王さんのお姉さんはきれいで、背が高いです。
⑵動作・作用の順番を表す。
○電気を消して、部屋を出ます。
○すみませんが、コピーを10枚とって、木村さんのところへ持っていってく
ださい。
○A駅まで電車で行って、B駅で地下鉄に乗り換えて、C駅で降ります。
○友達にEメールを送って、12時ごろ寝ました。
⑶ 動作の手段・方法・きっかけを表す。
○兄は毎朝、歩いて工場へ行きます。
○姉はアルバイトをして、お金を貯めています。
○何回も紙に書いて、漢字を覚えます。
○タクシーに乗って家へ帰りました。
⑷ どんな状態で動作・作用が起こるかを表す。
○もっと口を大きく開けて歌いなさい。
○父はいつも、ソファに横になって、テレビを見ています。
○女の子たちが芝生に座って、おしゃべりをしています。
○落ち着いて説明してください。
⑸ 原因・理由を表す。
○前に大きい人がいて、見えません。
○今日はお話ができて、うれしかったです。
○田中さんの声は小さくて、よく聞こえません。
○母の病気のことが心配で、眠れませんでした。
2.に
帰着点や動作の及ぶ方向を表す。
○壁にカレンダーを貼ります。
○明日ロンドンに向かいます。
○自動車が門の前に止まっています。
○使ったあとはかならず元の場所に戻してください。
3.で
原因を表す。
○雨で遠足が延期になりました。
○私は父の紹介でこの会社に入りました。
○受験準備でとても忙しいです。
○林さんは病気で学校を休ました。
3.文型
(1) ている
① 継続
動作や作用を表す動詞を用いて、その動作・作用が継続中であることを表す。
○母は居間で雑誌を読んでいます。
○子供たちが走っています。
○五年前から、日本語を勉強しています。
○A:今、何をしていますか。
B:お茶を飲んでいます。
② 結果
ある動作・作用の結果としての状態を表す。この意味で使われる動詞は、「始まる」「乾く」「あく」「閉まる」など状態の変化を表す動詞や、「行く」「来る」「帰る」など。また、「知る」「持つ」「住む」なども「…ている」の形で状態を表す。これらは、普通、動作の継続進行の意味は表さない。ただし、繰り返し起こることを表す③の用法の場合は使われる。また、「着る」のように、文脈によって、進行継続、結果としての状態のどちらの用法も可能なものもある。
○授業はもう始まっています。
○彼女が着ている着物は高価なものだった。
○A:お母さんはいらっしゃいますか。
B:母はまだ帰っていません。
○A:あそこにいる人の名前を知っていますか。
B:さあ、知りません。
③ 繰り返し
◆動作作用が繰り返し起こることを表す。一組の人などが何回も行為を行う場
合と、多くの人が次々に同じことを繰り返す場合の両方がある。
○毎年、交通事故で多くの人が死んでいます。
○この病院では毎日二十人の赤ちゃんが生まれています。
○いつもここで本を注文しています。
○戸田さんはデパートで働きながら、大学の夜間部へ行っているそうです。
◆職業を表す名詞について、現在の職業を表す表現。「Nをしている」という
形をとる。「Nをしていた」は過去のある時期の仕事を表す。
○彼は、トラックの運転手をしています。
○わたしの父は、本屋をしています。
○彼女は、以前、新聞記者をしていたが、今は主婦をしています。
○A:お仕事はなにをしていらっしゃいますか。
B:コンピュータ関係の会社につとめています。
④ 状態
はじめからの外見や性質などの状態を表す。
○弟は父によく似ています。
○ここから道はくねくね曲がっています。
○この道は海の方まで続いています。
○日本と大陸はかつてつながっていました。
(2) 時間関係
◆「XてからY」の形で、XのほうがYよりも先に行われることを表す。
○先に風呂に入ってから食事をしましょう。
○この仕事を全部やってからビールを飲みます。
○バスが止まってから席を立ってください。
○新しい家を買うときは、よく調べてから買いましょう。
◆ある変化や、継続的なことの起点を表す。
○日本に来てから経済の勉強を始めました。
○夏休みになってから一度も学校に行っていません。
○今は昼休みですので、1時になってから来てください。
○たばこをやめてから、体重が急に増えました。
(3) 付帯状況
動詞の否定形がテ形の形をとったもので、後に続く動作や状態がどんな様子、状況、事情のもとに成立するかを表す。
○息子は今朝もご飯を食べないで出かけました。
○彼女は一生結婚しないで独身を通しました。
○暑いので、子どもはふとんをかけないで寝ています。
○歯を磨かないで寝てはいけません。
(4) 原因・理由
「そのようなことが成立しないことが原因・理由で」といった意味で、後のことがらの原因・理由を表す。後半には「安心する」「困る」「助かる」など、話し手の感情や評価を表す表現が用いられる。「なくて」は前後のことがらが同時並行して成立することを表しているだけで、原因・理由を明示するものではない。そのため、下の例の「なくて」を「ないので」「ないから」に置きかえると不自然になることが多い。
○ちっとも雨が降らなくて困っている。
○あいつが来なくて助かった。
○きのうは、夜遅くまで仕事が終わらなくて、大変でした。
○歯が痛かったので、ご飯が食べられなくて困りました。

