
2019年の中国の中秋節は9月13日です。
中秋節(ちゅうしゅうせつ)とは旧暦8月15日、まさに秋の真ん中なので中秋節と言います。中国語では“中秋节 zhōngqiūjié”といいます。
一、中秋節はお月見の日

中国の皇帝はかつてこの8月15日に、豊作を祈って音楽を奏で月に祈りを捧げたそうで、この行事がやがて民間に伝わっていったと言われます。ところで旧暦の8月15日に月を愛でるのは理にかなっており、春のように風が強くなく、夏のように雲があるわけでもなく、冬のように寒くもなく、美しい満月を楽しむのに爽やかな秋は最も理想的なのだそうです。
二、中秋節の食べ物「月餅」

中秋節になぜ月餅を食べるのか、こんな伝説が伝えられています。元朝末期、農民たちが異民族である元王朝に対して決起します。その際紙をしのばせた月餅を贈り合い、その紙に「決起の日は中秋節」と書かれていたのだそうです。その後中秋節に月餅を食べる習慣が広がるのですが、その理由としてはもう一つ、月餅の丸い形が「家族の輪」「家族の団らん」を意味するからだそうです。中秋節に月餅を食べる習慣は明から清にかけて中国中に広まりました。
三、月餅の餡(あん)


月餅の餡には小豆餡のほか黒ゴマ餡ハスの実の餡や松の実の餡などさまざまな餡があります。甘い餡の中にさまざまなナッツ類や塩味のアヒルの卵が入ったもの、肉やハムが餡になっているものもあります。本格的な中国の月餅はお腹にずっしり納まる感じです。お菓子というより高カロリーの保存食という感じがします。
四、中秋節は家族団らんの日
現代の中国人にとって中秋節は月を愛でるとともに、何より家族団らんの日です。家族が全員テーブルを囲み、月餅を食べ、お月様を眺めます。その日家族が一人でも欠けるなら、家を離れている者も残った家族も、互いを想う心を一つにして空を見上げ同じ月を眺めるのです。

